兄への思い

第一章 サーシャの悲しみ

その1

ホームズとサーシャの仲が一時的に悪くなったのはこの出来事がきっかけだった。

リュナン達がリーベリア大陸へと出発した日の夜、サーシャはラケルとともに作った料理をみんなに食べてもらおうと思い、ホームズらを呼んだのだが、なぜかラケルが作った料理ばかり食べたがりサーシャの料理は誰も食べようとしなかった。
これに対しサーシャが不満を言ったところ、ホームズが「サーシャの作った料理で体調を崩した者がいたという話を聞いたんだ。それほどまずい料理は食いたくない。」とうっかり暴言を吐いてしまったのだ。これに対してシゲンとカトリがホームズに対し、それは言い過ぎだと注意したのだが、これがかえってホームズの怒りを増大させてしまった。
「まともな料理が作れないから怒ってるんだ。これは言い過ぎではない。」
それを聞いたサーシャはついに泣き出してしまい「ホームズのバカ!」と言いながら自分の部屋へと走っていってしまった。
これを見たカトリはホームズに対して怒り、「サーシャちゃんに向かって何てこと言うのよ!女の子を泣かせるなんて私は許さないわよ!」と言い、シゲンも「ホームズ、お前が人を悲しませる所は見たくない」と注意したため、「すまん。俺は目の前の料理のことしか頭に入ってなかったようだ。」とホームズは一応反省することにした。しかし心の中ではまだサーシャに対する怒りは収まっておらず、すぐにでもその口の悪さが出そうな状態だった。
シゲンとカトリはこのことに気づいておりサーシャの部屋へとすぐに向かって事情を話すことにした。これを聞いたマーテルは一緒に行くと言い出し、シゲンとカトリはもちろん承諾した。二人が承諾した理由は、サーシャの心の傷を癒すにはマーテルが一番であることを知っていたからだ。

こうして3人はサーシャの部屋へと向かうことになったのだった。

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