その5 ウエルト王宮編(1)
無事ウエルト王宮にたどり着いたホームズ一行。そこで門番をしていたライネルに止められたが、サーシャの説得で無事王宮内に入れてもらうことができた。
そしてマーロン伯は、ホームズに改めて山賊討伐の依頼をした。
「これからホームズ殿に、トーラス洞窟へ行ってもらいたいのです。どうやらまたトーラス山賊が暴れ始めたようで、今回はリュナン殿の時のようにはいかないでしょう。本気でトーラス山賊を壊滅させねばなりません。」
「わかっている。だが別に感謝してもらう必要はないぜ。ところで、洞窟にいくまでに問題はないのか?」
「おそらく山賊たちが途中の街で襲ってくるのではないかと思われます。それと洞窟内は騎馬や天馬では入れませぬ。そこら辺は何とかせねばなりませんが・・。」
「それなら、歩兵だけを連れて洞窟へ行くぜ。サーシャたちにはここに残ってもらう。」
そう言われたサーシャだったが、洞窟に入れないのなら仕方がないと考え、黙って頷いた。
「では、ライネルよ、ホームズ殿と一緒に同行してくれぬか。」
「承知した。」
「それじゃ、俺たちは明日出発する。今日はここに泊まらせてくれないか?」
「もちろんですとも。これが、王宮の地図です。本来なら、王妃様からも感謝の言葉があるのだが、今は体調を崩しているので遠慮させてもらうとのこと。王妃に代わってお詫び申す。」
「いや、そんなことは構わねえ。」
「では、私はこれにて・・。」
マーロン伯はホームズに地図を渡して去っていった。
その後ホームズは部屋割りを決め、解散を命じた。
そして自ら部屋に向かおうとして上を見た時、シゲンが上に掲げてあった肖像画を見ているのに気づき自分も肖像画を見た。
この肖像画は若い頃のロファール王、リーザ王妃と生まれて数年もたたないサーシャの肖像画であった。
しかし、それを見たホームズの顔面は蒼白になった。
「お、おい、まさか・・。本当かよ・・。」
ホームズは自分のペンダントと肖像画に書かれたリーザ王妃が首に掛けてあったペンダントを比べている。ホームズの体は震えていた。
その声に振り向いたシゲンはホームズの顔色が悪いのに気がつき、思わず声を掛けた。
「どうした、ホームズ。顔が青いぜ・・。」
ホームズの顔色の悪さに驚いたシゲンだったが、次のホームズの言葉にさらに驚くことになる。
「もしかしたらほんとにサーシャは俺の妹かも知れねえ。」
「! それは本当か?」
「このペンダントと肖像画に描いてある王妃のペンダントがとてもよく似ているんだ。サーシャがわずかに思い出せなかったというのは、このことかも知れねえ。ただ今サーシャにこの事が知れたら、大変なことになる。シゲン、絶対にこのことはサーシャには言うな。頼む!」
シゲンはその頼みを断われなかった。
「ああ、わかった。サーシャには絶対に言わないと約束するぜ。」
「じゃあ、俺は自分の部屋へ行くぜ。」
そういってホームズは足早に自分の部屋へと向かった。