その11
そしてアシカ号へ戻ったホームズ一行だが、皆の表情は暗く、沈痛な表情を見せ、重苦しい雰囲気が漂っていた。もちろん、サーシャも例外ではない。
そこでホームズは、その雰囲気を変えるために、アトロムにある提案をしたのだ。
「アトロム、死者を甦らせる伝説のオーブがレダ古城にあるらしい。
騙されたと思って行ってみるか?」
その話を聞いたアトロムは、信じられないという表情をして、
「えっ!?ホームズ!本当なのか!!」
と思わず叫んだ。
「女神ユトナの涙の結晶・・。一般には復活のオーブ、ダクリュオンと呼ばれているらしい。かつてレダ王グラウスがシエロ山の地下神殿から持ち出しレダ王国の宝物庫に隠したという話だ。」
そのホームズの説明が終わる前にアトロムが、
「ホームズ、頼む!姉さんを取り戻せるなら僕はなんだってする!頼む!そのオーブを手に入れてくれ!!」
と必死に頼み込んでいた。
それに対しホームズはアトロムに対し危険が伴うことを説明する。
「それはいいが一つだけ問題があるレダの守護聖竜クラニオン……。6英雄に討伐されてからもう10年以上になる。そろそろ目覚めてもいい頃だ。」
「魔竜クラニオン……。」
「ああ。もしクラニオンが現れたら今の俺たちには勝ち目はねえ。」
しかし、アトロムはもう行くことを決心していたようで
「たとえ魔竜が出るような危険な場所でも、姉さんを取り戻せるなら絶対に行く!僕はもう決めたんだ!」と強い意思を見せたので、ホームズも「ああ、分かった。そこまで言うんなら」と了承した。ホームズは言ったことを後悔しているのかしらと、サーシャは了承したときのホームズの顔を見て思った。
そして暗い雰囲気が消えたホームズ一行。しかし、ここでサーシャはカトリがいない事に気づいた。
「ホームズ、カトリちゃんがいないわ。どこに行ったのかしら。」
これにホームズは慌てて
「なんだと?サーシャ、2人で探しに行くぜ。」と、サーシャにカトリの探索を命じた。そこで2人は、カトリの意外な行動を見ることになる・・。