兄への思い

第三章 海賊退治

その12

カトリを探すことにしたサーシャとホームズ。周りを見渡したサーシャは、奥の部屋の扉が開いていることに気づきホームズにそれを伝えた。
それに対しホームズは、
「なんだと?よし、その部屋へ行ってみる。」
と、その空いている部屋へ行くことにした。そして中へ入った2人は、カトリがいるのを発見し、ホームズは
「カトリ、姿が見えねえんで探していたんだ。こんなところで何をやってんだ?」と尋ねた。しかしその時カトリが治癒の術を行っていることに気づき、それを誰が受けているのを見たホームズは、
「おい、カトリ、こいつはメルヘンじゃねえか!まさかこいつを助けようってんじゃあるまいな?」と大変に驚いた。
それに対しカトリは、
「まだ息があったの・・。だから、放っておけなくて・・。」とメルヘンを懸命に助けようとする気持ちを伝えた。
しかしホームズは聞く耳を持たず怒った様子で、
「そこをどけ!俺が止めを刺してやる!」とメルヘンに近づこうとした。
それでもカトリは
「やめてホームズ!これも女神様の御心だと思います。殺してはいけないわ。」と懸命に説得を続け、サーシャも
「ホームズ、別にカトリちゃんが悪いことをしてるわけじゃないんだから、落ち着いてよ!」とホームズを懸命に止めようとしている。
しかしまだホームズは説得に応じる様子を見せない。
「バカをいえ!この悪党はただしぶといだけなんだよ!こんなクソ野郎を生かしておけばまた同じ悪さをするだけだ。お前の養父やアトロムの姉貴の事を忘れたのか?お前らみたいなガキが泣くのを俺はもう二度と見たくないんだよっ!」
この言葉にカトリはついに、「ごめんなさい」と言うと泣き出してしまった。これにサーシャは
「ホームズ、カトリちゃんを泣かすことを言うなんて。私は見損なったわ!」と怒った。
このサーシャのきつい一言にはさすがのホームズも参ったらしく、
「分かったよ。そいつはおまえに預ける。」とメルヘンを助けるのを認めることにした。それを聞いたカトリは泣き止み、「助けてもいいの?」と言い、サーシャもホームズの対応の変化に驚いた表情をした。
そしてホームズは、
「殺るのはいつでもできるからな。今はお前の好きにしな。」と言い、部屋を去った。
「ありがとう、ホームズ・・。」とカトリは返した。
「ところでカトリちゃん、どうやってメルヘンさんを見つけてここまで運んできたの?」というサーシャの質問にカトリは、
「ホームズが戦い終わって船の中へ入っていったでしょう。それで心配になって相手の海賊の船の奥へ行ってみたら、メルヘンさんが倒れているのを見て・・。この嵐の中だし、早くしないと船が沈んでしまうし、沈まなくてもメルヘンさんはこのままだと死んじゃうと思って必死にここまで運んだの。」
というカトリの説明に、「そんなに苦労していたなんて・・。でも助けられて良かったわね。」とサーシャは笑顔で言った。カトリも、
「メルヘンさんを助けられてよかったわ。」と笑顔で答えた。

その後、カトリはメルヘンの案内で父親のロウ司祭との再開を果たし、司祭はホームズとの旅に同行することになった。また、メルヘンと、海賊との戦いで途中でホームズたちの味方になった剣士のクリシーヌも、この旅に同行することになった。メルヘンは仲間からあまり快く思われず、クリシーヌもシゲンからは「感心しないな」と言われるなどあまり歓迎された雰囲気はなかったようだが・・。

そして、いよいよホームズたちはりーべリア大陸への上陸を果たすのである。

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