その8
そして翌日の朝、ソラの港を出発したホームズ一行。やはりメルヘンたちはホームズの予想通り、さほど遠くへは逃げておらず、セネー海西の中心付近にいた。うまく風を捕まえられたこともあり、あっという間にそこにたどり着きそうではあったが、進むにつれ天気が悪くなり、風も強くなってきたので、サーシャは不安に思い尋ねた。
「ホームズ、こんな天気で大丈夫なのかしら?」
これに対しホームズは、メルヘン一味の討伐はあくまで強行する方針を示した。
「これ以上待ってると逃げられちまう。それにもうここまできたんだ、今やるしかねえだろう。」
そう言われては、サーシャは反論の仕様が無かった。
そしてついにメルヘンの船に追いついた。海上は荒れ気味で、雷鳴も響く中、ホームズ達とメルヘン一味の決戦が始まるときがきた。
「帆を下ろせ、船がひっくり返っちまうぞ! おい、他の者は板を用意しろ!」
ホームズは怒鳴りつけながら開戦の準備を皆に命令した。
そして準備が出来たのを確認するとホームズは
「よし、みんな、一気に乗り込むぞ!」と叫んだが、その次の言葉に詰まった。
「あのふざけた名前の男・・・・・。」
またしてもメルヘンの名前が思い出せなかったのだ。さすがにカトリも今回ばかりは無言でフォローしようとしなかった。
それに気づいたホームズは気を取り直し「今度こそ生かして帰すんじゃないぜ!」と言い、とりあえず皆に戦闘開始を命令した。
そしてついに決戦が始まった。
メルヘン一味の船に乗り込んだホームズ達ではあったが、船の左端からモンスターがまたも襲ってきた。
空を飛ぶ魔獣、ハーピィであった。サーシャやマーテルにとって天敵の弓を装備しており、二人では近づくことが出来ず、厄介であった。しかし、召還士は船の左端の一番高い位置にいて、階段も無いのでペガサスで無ければ倒しにいけない状況でもあった。そこで魔獣なら倒せるラケルにハーピィの退治をできるだけさせ、隙を突いてサーシャとマーテルが召還士のところへ向かうことになった。
「サーシャ、弓には気をつけろよ!すばやくやらねえと、やられちまうぞ。」とホームズは言い残し、ほかの仲間とともに右へ向かっていった。