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着替えもせずベッドの上に寝転がった。
はしたないとは思うが、今は何かをする気になれなかった。
(まだ体が火照っている……)
王女は気だるい気分で考えた。
初めて口にしたワインはとても強烈だった。頭の中がグルグル回っている。
枕を両腕でパフッと抱きしめた。
(ケイトがいなかったから……つい調子に乗ってしまったわ……)
先刻の宴で守役の不在を見計らって、王女はワインを飲んだのだ。その時は悪戯っ子の気分を満喫できた。しかし、今ではすっかり後悔していた。
(みんな……大人の人たちはどうしてあんなものが好きなのかしら。甘くもないし、苦いだけなのに)
そして『飲酒は大人になってから』というラフィンやケイトのお小言を思い出した。
(やっぱり目上のひとの言うことには一理あるのね……)
と素直に感心し、自分の迂闊さにため息を漏らした。
(ラフィンといえば……今、どうしているかしら?)
(あのひとと……ずっと一緒にいるのかな……)
オレンジ髪の美女の貌が脳裏に浮かんだ。
彼女とラフィンが一緒に宴を脱け出したことを思い出す。
いや、二人が示し合わせて姿を消したのかどうか、実のところ不明なのだが、サーシャはそのはずだと決め付けていた。
(二人は仲直りはできたの?)
ラフィンは生真面目で……その分とても口下手な人だから、説明に失敗して、状況を悪化させているかも知れない。
(……そうだとしたら、私が代わりに説明してあげる……というのは、さすがに余計なお節介でしょうね。怒られてしまいそう)
そもそもラフィンは立派な大人であり、自分のような小娘の助力など無用だろう。サーシャは自らの発想に苦笑した。
……そして、(彼の役に立ちたい)と強く願う自分の気持ちに、王女は戸惑いを覚えた。