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(やっぱりちょっと気分が悪い……)
酒精のせいだと分かっている。胸のあたりが苦しかった。
(風にあたれば少しはましになるかも……)
我ながら良い考えだと思ったサーシャは、ベッドから起き上がり、窓辺へ寄った。
大きく窓を開く。
(あ……)
冷たい外気が室内に流れ込んだ。
サーシャはブルッと体を震わせた。少し寒い。
(でも、気持ちはいい……)
涼しい風に頬を撫でられ、爽やかな心地だ。
(今夜は星が出ているのね)
満天を埋め尽くす小さな光の瞬きに気がつき、王女は身を乗り出すようにして夜空を見上げた。
星々の瞬き、そして白銀に輝く月光がとても神秘的だった。
何の気なしに中庭を見た。
(……?)
サーシャは首を傾げた。
(誰か……いる?)
噴水の横……誰かがベンチに腰かけていた。こちらに背中を向けているので、顔はわからない。けれど、特徴のある髪型と雰囲気だ。王女にとってその人影の正体は明らかだった。
(……ラフィン)
彼だと分かった時、思わずその周囲を確認した。
……ラフィンはひとりだった。
(あの人とのお話はもう終わったの? ちゃんと今までの経緯を説明できたのかしら?)
窓下をぼんやりと眺めながら、王女は考えた。
月光に照らされたラフィンの姿は一幅の絵のようで、とても印象深かった。
(だけど……)
彼の背中を見ていると、何だかとても胸が痛くなる。訳も無く切ない気分になってしまう。
(……とても寂しそう……ラフィン)
ラフィンは悄然とした様子で──ひどく落ち込んでいるように見えたのだ。